寒中見舞いのハガキの種類を解説!マナーと選び方
寒中見舞いを送ろうと考えたとき、店頭に並ぶ多種多様なハガキを前に「一体どれを選べば良いのだろう」と迷ってしまうことはありませんか。そもそも伝統的な官製はがきでいいのか、それともお洒落なデザインのポストカードを選ぶとマナー違反で失礼にあたるのか、考え始めると悩みは尽きないものです。特に、喪中のお相手へ送る場合など、状況によっては細心の注意が求められます。相手への大切な気持ちを伝える挨拶状だからこそ、マナー違反は絶対に避けたいところでしょう。
この記事では、そんなお悩みを解消するため、寒中見見舞いのハガキの種類について、基本的なマナーから送る相手や状況に応じた選び方のポイントまで、深く掘り下げて詳しく解説します。さらに、ハガキに添えて気持ちを伝えられる、心温まるおすすめの贈り物についてもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
- 寒中見舞いに使えるハガキの正しい種類がわかる
- 送る相手や状況に応じたハガキの選び方が理解できる
- ハガキ選びで失敗しないためのマナーや注意点がわかる
- ハガキに添えるのにふさわしいギフトの選び方がわかる
寒中見舞いのハガキの種類と基本的な選び方
- そもそも寒中見舞いはいつ頃出すものですか?
- 寒中見舞いに使うハガキの種類は?
- 寒中見舞いはがきはどのはがきが適切?
- 基本的に官製はがきでいいのか
- 官製はがきの胡蝶蘭とヤマユリの違いは何ですか?
そもそも寒中見舞いはいつ頃出すものですか?

寒中見舞いは、一年で最も寒さが厳しいとされる時期に、相手の健康を気遣い、近況を報告しあうための季節の挨拶状です。この「寒中」という言葉の由来は、太陽の動きに基づいて季節を分ける「二十四節気(にじゅうしせっき)」にあります。
具体的には、「小寒(しょうかん)」の日から、春の始まりとされる「立春(りっしゅん)」の前日までの約30日間が「寒中(または寒の内)」と呼ばれています。(参考:国立天文台「二十四節気とは」)
実際に寒中見舞いを送るタイミングは、新年の挨拶を行う期間である「松の内」が明けてから、この「立春」の前日までに相手に届くようにするのが一般的なマナーです。注意点として、この「松の内」の期間は地域によって異なります。
| 地域 | 松の内の期間 | 寒中見舞いを出す期間の目安 |
|---|---|---|
| 関東地方など | 1月1日~1月7日 | 1月8日~2月3日頃 |
| 関西地方など | 1月1日~1月15日 | 1月16日~2月3日頃 |
立春の日付は年によってわずかに変動しますが、例年2月4日頃です。この期間を過ぎてしまった場合は、「余寒見舞い(よかんみまい)」として送ります。これは「暦の上では春になりましたが、まだ寒さが残っていますね」という趣旨の挨拶状で、2月末頃までに出すのが一般的です。ただし、寒さの厳しい地域では3月上旬頃まで出すこともあります。
寒中見舞いに使うハガキの種類は?

寒中見舞いに使用できるハガキは、大きく分けて2つの種類に分類されます。一つは、郵便局が発行・販売している「通常はがき(官製はがき)」、もう一つは、文具店や雑貨店、オンラインショップなどで自由に購入できる「私製はがき」です。
どちらのハガキを選んでもマナー上の問題はありません。それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身の目的や送る相手との関係性、かけられる手間などを考慮して選ぶのが良いでしょう。
通常はがきと私製はがきの比較
| 種類 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 通常はがき(官製はがき) | ・切手を貼る手間がない
・郵便料金が明確で間違いない ・どこでも手軽に購入できる |
・デザインの選択肢が限られる
・オリジナリティは出しにくい |
| 私製はがき | ・デザインや紙質が豊富で自由度が高い
・オリジナリティを表現できる ・手作りも可能 |
・切手を貼る必要がある
・紙の厚みやサイズによっては追加料金がかかる場合がある ・プリンターによっては紙詰まりのリスクがある |
ここで最も重要な注意点は、余った年賀はがきを寒中見舞いに使用してはならないということです。もし使いきれなかった年賀はがきがある場合は、所定の手数料を支払うことで、郵便局の窓口で通常はがきや切手に交換することが可能です。(参考:日本郵便「書き損じはがき・切手の交換」)
寒中見舞いはがきはどのはがきが適切?

結論を申し上げますと、寒中見舞いには通常はがき(官製はがき)、または私製はがきのどちらを使用しても全く問題ありません。最も大切なのは、送る目的や相手への気持ちに合ったものを選ぶことです。
例えば、ビジネス関係でお世話になっている方々や、目上の方へ多数送る場合、あるいは年末年始の忙しい中で手早く準備を済ませたい場合には、切手を貼る手間が不要な通常はがきが非常に効率的で適切です。一方で、デザインにこだわって気持ちを伝えたい親しい友人や、クリエイティブな印象を与えたい場合には、豊富な選択肢から選べる私製はがきが最適と言えるでしょう。
年賀はがきの使用がNGな理由
繰り返しになりますが、寒中見舞いに年賀はがきを使用するのは厳禁です。年賀はがきは、その名の通り「新年を祝賀する」ための挨拶状です。対して寒中見舞いは、「厳しい寒さの中での相手の健康を気遣う」または「喪中により新年の挨拶を失礼したことを伝える」ためのものです。両者はその目的が根本的に異なるため、年賀はがきの流用はマナー違反となります。特にお祝い事を意味する「賀」の文字や、おめでたい絵柄が入ったはがきを喪中の方へ送ることは、相手の心情を深く傷つける可能性があり、絶対に避けなければなりません。
適切なはがきを選ぶことは、相手への敬意と配慮を示すための第一歩です。ご自身の状況を鑑み、最もふさわしい一枚を選びましょう。
基本的に官製はがきでいいのか

はい、その通りです。寒中見舞いは、基本的に官製はがき(通常はがき)を使用して全く問題ありません。むしろ、多くの場合において最も無難で確実な選択肢です。
切手を別途購入して貼る手間が一切なく、郵便料金を間違える心配もありません。全国の郵便局はもちろん、多くのコンビニエンスストアでも取り扱いがあるため、必要な時にすぐ手に入れられる利便性は大きなメリットです。特に、「どのハガキを選べばマナー違反にならないか」と不安に思う方や、選択に迷った際には、官製はがきを選んでおけば間違いありません。
官製はがきは裏面が無地でシンプルなので、ご自身でイラストを描いたり、季節感のあるスタンプを押したりと、自由にアレンジを加えやすいのも隠れた魅力です。手書きのメッセージがより一層引き立ち、温かみが伝わりますよ。
また、官製はがきには主に「普通紙」と「インクジェット紙」の2種類があります。手書きのメッセージやイラストをメインにする場合は、インクが滲みにくい普通紙が適しています。一方、ご家庭のプリンターでデザインや宛名を印刷する場合は、インクの発色が良く、鮮明に仕上がるよう表面に特殊な加工が施されたインクジェット紙を選ぶのがおすすめです。
官製はがき(通常はがき)の胡蝶蘭とヤマユリの違いは何ですか?

官製はがきの左上、切手が印刷されている部分(料額印面)には、いくつかの絵柄のデザインが存在します。これらは単なる飾りではなく、それぞれに想定される用途や意味合いがあります。寒中見舞い用のはがきを選ぶ際に、特に知っておくと便利なのが「胡蝶蘭(こちょうらん)」と「ヤマユリ」のデザインの違いです。
これらの特徴を理解しておくことで、より状況に適した、心のこもったはがき選びが可能になります。
| 絵柄 | 紙の種類 | 主な用途・特徴 |
|---|---|---|
| 胡蝶蘭 | 普通紙・インクジェット紙 | 上品で落ち着いたデザインで、慶事・弔事どちらにも使用できます。寒中見舞いはもちろん、喪中の報告や目上の方への改まった挨拶状として最も適しています。 |
| ヤマユリ | 普通紙 | 最も標準的な通常はがきで、一般的に広く使われています。用途は特に限定されず、季節の挨拶など様々な場面で安心して使用可能です。 |
| 山桜 | インクジェット紙 | インクジェットプリンターでの印刷を前提としたはがきです。ヤマユリと同様に、一般的な挨拶状として幅広く利用できます。 |
特に胡蝶蘭のデザインは、その品格ある佇まいから、相手への敬意を示すのに非常に適しています。花言葉に「幸福が飛んでくる」といった縁起の良い意味もありますが、ここではその落ち着いた雰囲気が重視されます。喪中の方へ寒中見舞いを送る場合や、ビジネス上の大切な相手へ送る際など、どのデザインにすべきか迷った際には、胡蝶蘭の通常はがきを選んでおけば、失礼にあたることはまずないでしょう。
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状況に応じた寒中見舞いのハガキの種類と贈り物
- 私製ポストカードは失礼にあたる?
- 喪中の場合、寒中見舞いのハガキはどれですか?
- では寒中見舞いのハガキはなんでもいいの?
- ハガキと添えたいおすすめの贈り物
私製ポストカードは失礼にあたる?

結論から申し上げますと、デザインやマナーに配慮すれば、私製ポストカードを寒中見舞いに使用しても全く失礼にはあたりません。むしろ、こだわって選んだデザイン性の高いカードは、ありきたりな挨拶状とは一線を画し、相手に心のこもった温かい印象を与えることができます。
ただし、その自由度の高さゆえに、デザイン選びには細心の注意が必要です。寒中見舞いの本質は、厳しい寒さの中にいる相手の健康を気遣うことにあります。その趣旨に沿った、ふさわしいデザインを選ぶことが重要です。
寒中見舞いに適したデザインの具体例
- 季節の植物:厳しい寒さの中で咲く、生命力を感じさせる椿(つばき)、梅(うめ)、水仙(すいせん)、福寿草(ふくじゅそう)など。
- 冬の風景:静かで美しい雪景色、愛らしい雪うさぎや雪だるま、繊細な雪の結晶(六花)など。
- 動物:シマエナガなどの冬の小鳥や、温かみのあるタッチで描かれた動物のイラスト。
私製はがきで避けるべきデザインと内容
一方で、赤や金を多用した派手すぎるデザインや、ひまわりや朝顔など夏を強く連想させる季節外れのものは避けましょう。また、結婚や出産の報告を兼ねた写真入りのポストカードは、特に注意が必要です。ごく親しい間柄であれば許容されることもありますが、主役が自分の報告になってしまい、相手を気遣うという本来の目的から逸れてしまいます。目上の方や喪中の方へ送るのは控え、報告は改めて別の機会に行うのが丁寧な対応です。
私製はがきを使用する際は、郵便法で定められたサイズ(長辺14cm〜15.4cm、短辺9cm〜10.7cm)や重さ(2g〜6g)の範囲内であることを確認し、必ず規定料金の切手を貼ることを忘れないようにしましょう。
喪中の場合、寒中見舞いのハガキはどれですか?

ご自身が喪中の場合、または喪中の方へ寒中見舞いを送る場合は、通常の季節の挨拶状以上に、相手の心情に寄り添う深い配慮が求められます。この状況におけるハガキ選びの絶対的なポイントは、「華美を避け、シンプルで落ち着いたデザインを選ぶ」ことです。
具体的なハガキの選択肢と、それぞれのポイントを解説します。
官製はがきを選ぶ場合
これまでにも触れてきた通り、切手部分のデザインが「胡蝶蘭」の通常はがきが、このようなデリケートな状況において最も間違いのない選択です。胡蝶蘭は慶弔両用で使えるため、喪中に関する挨拶状として安心して使用できます。もちろん、最もシンプルなヤマユリの通常はがきを用いても何ら問題ありません。
私製はがきを選ぶ場合
イラスト入りのポストカードを選ぶ際は、色数を抑えた地味な色合いで、お祝い事を一切連想させないデザインに限定しましょう。例えば、水墨画のようなタッチで描かれた冬景色や、淡い色彩で描かれた水仙、寒椿といった冬の花などが適しています。言うまでもありませんが、干支のイラストや「迎春」「賀正」といった賀詞が入ったデザインは絶対に避けてください。
喪中における寒中見舞いの役割
喪中に寒中見舞いを出すシーンは主に2つあります。一つは、ご自身が喪中のため年賀状を出さなかった際に、年賀状をくださった方へ返礼として出す場合。もう一つは、喪中と知らずに年賀状を出してしまった相手へのお詫びや、ご遺族を気遣う気持ちを伝える場合です。いずれのケースでも、挨拶状が華美な印象にならないよう、控えめで静かなデザインを選ぶことが、相手への思いやりとなります。
では寒中見舞いのハガキはなんでもいいの?

ここまで様々なハガキの種類とその選び方を解説してきましたが、結論として「寒中見舞いのハガキは、決してなんでもいいわけではない」という点が明確になったかと思います。
これは単なる形式的なルールではなく、相手への気遣いや思いやりを形にするための大切なマナーです。ここで改めて、寒中見舞いにはふさわしくないとされるハガキの種類とその理由を整理しておきましょう。
寒中見舞いにNGなハガキとその理由
- 年賀はがき:目的が「新年のお祝い」であり、寒中見舞いの「季節の挨拶・お見舞い」という趣旨と根本的に異なります。
- かもめ~る(夏のおたより郵便はがき):夏用の挨拶状であり、冬に出すのは季節感がなく、相手を混乱させてしまう可能性があります。
- 過度に華美・派手なデザインの私製はがき:相手の健康を静かに気遣うという目的にそぐわず、軽薄な印象を与えかねません。
- お祝い事を連想させるデザイン(特に喪中の場合):門松、干支、鶴や亀といった縁起物のモチーフは、相手の心情を考慮すると不適切です。
- 慶事用の切手を貼った私製はがき:切手にも意味があります。「寿」の文字が入ったものや、鶴のデザインの慶事用切手は避け、普通切手や冬のグリーティング切手を選びましょう。
これらのポイントを押さえておけば、マナー違反となる大きな失敗は避けられます。ハガキを選ぶ際には、常に「季節感」と「相手への深い配慮」という2つの軸を念頭に置くことを心がけましょう。

ハガキと添えたいおすすめの贈り物

寒中見舞いは、ハガキによる挨拶状だけでなく、お歳暮やお年賀を贈る時期を逃してしまった場合の、冬のギフトを贈る良い機会でもあります。これを正式には「寒中御伺(かんちゅうおうかがい)」と呼びます。
慌ただしい年末年始が過ぎ、少し落ち着いたこの時期に、日頃の感謝の気持ちを込めて、心と体が温まるような贈り物をしてみてはいかがでしょうか。
贈り物の相場と、のし紙のマナー
贈り物の相場は、相手との関係性にもよりますが、一般的に3,000円から5,000円程度が目安とされています。お歳暮などと同様に、あまりに高価なものはかえって相手に気を遣わせてしまうため、感謝の気持ちが伝わる範囲の金額に留めるのがスマートです。
品物には、何度あっても良いお祝い事やご挨拶に使う「紅白のもろわな結び(蝶結び)」ののし紙をかけます。表書きは、目上の方へはより丁寧な「寒中御伺」、親しい間柄の方へは「寒中見舞」とするのが一般的です。
心遣いが伝わるおすすめギフトジャンル
寒い季節だからこそ喜ばれる、「消えもの(食品や消耗品)」が定番です。相手の家族構成や好みを考えながら選ぶと、より一層気持ちが伝わりますよ。
- お菓子・スイーツ:個包装されていて日持ちのする焼き菓子やクッキーの詰め合わせ、温かいお茶やコーヒーと相性の良い老舗の羊羹やチョコレートなどが人気です。
- ドリンク類:有名店のコーヒー豆やドリップバッグのセット、様々なフレーバーが楽しめる紅茶の詰め合わせ、小さなお子様がいるご家庭には果汁100%のジュースセットも喜ばれます。
- グルメ・惣菜:温めるだけですぐに食べられる有名レストランのスープセットや、料亭が監修したお茶漬け、少し贅沢な鍋の素などは、寒い時期の食卓を豊かにしてくれます。
品物を配送で贈る場合は、品物が到着する数日前に挨拶状としての寒中見舞いハガキを送り、「〇月〇日頃に心ばかりの品をお送りしました」と一報を入れておくと、相手も受け取りの準備ができ、より丁寧で心のこもった印象になります。
最適な寒中見舞いのハガキの種類の見つけ方
この記事では、寒中見舞いのハガキの種類から選び方のマナー、そして添える贈り物について詳しく解説してきました。最後に、最適な一枚を見つけるための重要なポイントをチェックリストとしてまとめます。
- 寒中見舞いを出す時期は松の内が明けてから立春まで
- 関東は1月8日以降、関西は1月16日以降が一般的な目安
- もし立春を過ぎてしまったら「余寒見舞い」として出す
- 使用するハガキは「通常はがき(官製はがき)」か「私製はがき」のいずれか
- 年賀はがきや夏用のかもめ~るは目的が異なるためマナー違反
- ハガキ選びに迷ったら、万能で失礼のない官製はがきの「胡蝶蘭」柄が最も安心
- 胡蝶蘭のデザインは慶弔両用で、特に喪中の挨拶に適している
- デザインにこだわりたいなら私製ポストカードも失礼にはあたらない
- 私製はがきは季節感のある、派手すぎない落ち着いたデザインを選ぶ
- 冬の花(椿・梅・水仙など)や雪景色といったモチーフがおすすめ
- 喪中に関する場合は、シンプルで色合いの控えめなデザインを徹底する
- ハガキだけでなく品物を贈る「寒中御伺」で感謝を伝えることもできる
- 贈り物の相場は3,000円から5,000円程度が目安
- 心も体も温まるような温かい食べ物や飲み物などの消えものが喜ばれる
- 最適なハガキは「何のために送るのか(目的)」と「相手への心遣い」で決まる


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