縁起の良いめでたい事柄とは?言葉や贈り物も紹介
「縁起の良いめでたい 事柄」と聞いて、どのようなことを思い浮かべるでしょうか。結婚式やお正月といったハレの日、あるいは日常でふと目にする幸運のサインかもしれません。私たちは生活の中で、縁起の良いいわれのある様々なものに触れています。
この記事では、「縁起の良いめでたい 事柄」というキーワードで検索されているあなたの疑問に答えるため、縁起の良いめでたい言葉から、お祝いに最適な縁起の良い贈り物まで、幅広く深く掘り下げて解説します。縁起がいい 熟語やことわざ、響きの良いひらがな、印象的な2文字や3文字の言葉など、知っておくと役立つ「縁起の良いめでたい言葉」を一覧で紹介します。さらに、単に言葉を羅列するだけでなく、縁起 の 良い めでたい 事柄をきちんと理解できるよう、なぜそれが縁起物とされるのか、その背景や理由まで詳しく見ていきましょう。
- 「縁起が良い」の様々な言い換え表現とそのニュアンス
- 文字数(1文字・2文字・3文字・四字熟語)別の縁起の良い言葉
- ことわざやひらがなで表す縁起の良い言葉の文化的背景
- 縁起の良いとされる事柄や贈り物の具体例とその意味・注意点
縁起の良いめでたい事柄と言葉
「縁起が良い」の言い換えは?

「縁起が良い」という言葉は、非常に幅広く使えますが、状況に応じてより適切な表現に言い換えることで、ニュアンスを正確に伝えることができます。
そもそも「縁起」とは、仏教用語の「因縁生起(いんねんしょうき)」を略した言葉とされ、すべての物事は原因(因)と条件(縁)によって生じるという考え方に基づいています。これが転じて、物事の吉凶の前触れや兆しを指すようになりました。
最も一般的な言い換えは「験(げん)がいい」でしょう。「験を担ぐ(げんをかつぐ)」という形で使われることが多く、特定の行動が良い結果につながることを期待する、個人的なジンクスに近い意味合いで使われます。
また、良いことが起こる「前触れ」を強調する場合は「吉兆(きっちょう)だ」という言葉が適しています。これは、客観的な幸運のサイン(例:珍しい鳥を見た、美しい虹が出た)に対して使われることが多いです。物事の「始まり」が順調である場合は、「さい先がいい(幸先がいい)」と表現します。「さい先の良いスタートが切れた」のように、今後の展開に強い期待を持たせる表現です。
ほかにも、お祝い事全般には「めでたい」「喜ばしい」、将来に希望が持てる状況には「前途有望(ぜんとゆうぼう)」など、様々な言葉が「縁起が良い」の類義語として活用できます。
状況別「縁起が良い」の使い分け
「縁起が良い」の言い換えは、その言葉が指す対象やTPOに合わせて使い分けることが大切です。
| 使いたい場面 | 言い換え表現の例 | ニュアンス・具体的な使い方 |
|---|---|---|
| 良い兆しを感じた時 | 吉兆だ / 吉事(きちじ) | 客観的な良い「前触れ」を指す。「白い蛇を見るなんて吉兆だ」 |
| 物事の始まりが順調な時 | さい先がいい / 幸先が良い | スタートが好調であること。「最初の商談が成立し、さい先がいい」 |
| 個人的なジンクス | 験がいい / 験を担ぐ | 個人的な経験則に基づく幸運。「このペンを使うと験がいい」 |
| 成功を期待する時 | 前途有望 / 見通しが明るい | 未来の成功や良い結果を予感させる。「彼は前途有望な新人だ」 |
| お祝い事全般 | めでたい / 喜ばしい | より一般的で、直接的なお祝いの気持ちを表す。「ご結婚おめでとう、実にめでたい」 |
| 望ましい状況の時 | 好ましい / 順調だ | 状況が良い方向に向かっていることを客観的に示す。「好ましい状況が続いている」 |
縁起の良いめでたい言葉を紹介

縁起の良いめでたい言葉は、私たちの生活の様々な場面で活用されています。これらの言葉には「言霊(ことだま)」の力、すなわち言葉が持つ不思議な力が宿ると信じられてきました。
ポジティブな言葉を口にしたり、書き記したりすることで、自らの意識が前向きになり、それが行動に反映され、結果として良いことを引き寄せると考えられてきたのです。例えば、お店の名前や商品のキャッチコピーに縁起の良い言葉が使われるのは、その繁盛を願う気持ちが込められています。
新年や結婚式、開業祝いといった特別なハレの日には、縁起の良い言葉が場を彩り、祝福の気持ちをより深く伝えます。続く見出しでは、これらの縁起の良い言葉を「文字数」や「種類(熟語・ことわざ・ひらがな)」といった切り口で具体的に分類し、それぞれの言葉が持つ意味や使われる背景について詳しく解説していきます。
縁起のいい言葉(1文字・2文字・3文字)

縁起のいい言葉は、文字数によっても様々なバリエーションがあります。短い言葉は覚えやすく、スローガンや座右の銘としても使いやすいため、強い印象を与えることができます。
1文字の縁起の良い言葉
一文字で縁起の良さを表す漢字は多く存在します。代表的なものには「福」「幸」「喜」「寿」などがありますが、これらは後の見出しでさらに詳しく解説します。他にも「結(縁を結ぶ)」「開(運が開ける)」「叶(願いが叶う)」なども人気があります。
2文字の縁起の良い言葉
二字熟語にも縁起の良い言葉は豊富です。スピーチや文章にも取り入れやすい表現を見てみましょう。
- 吉兆(きっちょう):めでたいことの前触れ、良い兆し。
- 福寿(ふくじゅ):幸福で長生きすること。
- 盛栄(せいえい):勢いが盛んで栄えること。
- 凱旋(がいせん):戦いに勝って帰ること。転じて、成功して戻る意味。
- 飛翔(ひしょう):空高く飛びめぐること。活躍や発展を願う意味で使われます。
- 吉祥(きっしょう):非常にめでたいこと、良い兆し。「吉祥文様」などにも使われます。
- 開運(かいうん):運が開けること。お守りなどでもよく見られます。
- 招福(しょうふく):福を招き寄せること。
3文字の縁起の良い言葉
3文字の言葉にも、独特の響きを持つ縁起の良い表現があります。
- 松竹梅(しょうちくばい):寒さに耐える3つの植物を並べたもので、めでたいものの象徴です。
- 五色雲(ごしきのくも):めでたいことの兆しとされる、色とりどりの美しい雲。
- 福如雲(ふくくものごとし):幸福が雲のように次々とやってくること。
- 天下春(てんかのはる):世の中全体が平和で栄えている様子を、春に例えた言葉です。
- 大入袋(おおいりぶくろ):興行などで満員御礼の際に出される袋。商売繁盛の象徴です。
- 大団円(だいだんえん):物語などがすべて丸く収まり、完璧な結末を迎えること。
短い言葉は、スローガンや座右の銘、会社名や商品名、お子様の名前などにも取り入れやすく、日常的に縁起の良さを意識するのに役立ちます。
縁起がいい熟語・ことわざの例

縁起の良さを伝える表現として、熟語やことわざも古くから親しまれています。これらは、単なる言葉としてだけでなく、先人たちの知恵や人生の教訓、そして幸福への願いが込められた文化的な財産です。
縁起がいい熟語
熟語は、短い言葉で深い意味や情景を表現できます。四字熟語が特に有名ですが、それ以外にも縁起の良い熟語は数多く存在します。
- 盛栄(せいえい):事業などが勢いよく栄えることを指します。「ご盛栄のことと」といった形で挨拶状にも使われます。
- 新春万福(しんしゅんばんぷく):新しい年に多くの幸福が訪れるよう願う、新年の挨拶言葉です。
- 日々是好日(にちにちこれこうにち):禅の言葉で、毎日が良い日であるという意味。晴れの日も雨の日も、どんな日もそのまま受け入れ、前向きに過ごす心構えを示します。
- 永寿嘉福(えいじゅかふく):永遠の長寿と、喜ばしく大きな幸福を願う言葉です。
- 千客万来(せんきゃくばんらい):次から次へと多くのお客さんが来ること。商売繁盛を願う言葉です。
- 家内安全(かないあんぜん):家族みんなが健康で無事に暮らせることを願う言葉です。
縁起がいいことわざ
ことわざは、具体的な情景やたとえ話を通して、縁起の良さや幸運を引き寄せるヒントを伝えます。
- 笑う門には福来る(わらうかどにはふくきたる):いつも笑顔が絶えない家には、自然と幸福がやってくるという意味です。ポジティブな姿勢が幸運を呼ぶという、代表的なことわざです。
- 鶴は千年、亀は万年(つるはせんねん、かめはまんねん):長寿の象徴である鶴と亀を引き合いに出し、非常に長く続くこと、または長寿を祝う言葉として使われます。
- 思い立ったが吉日(おもいたったがきちじつ):何かをしようと決意したら、暦の吉凶を気にするよりも、その熱意があるうちにすぐ取り掛かるのが良いという意味です。行動することが吉を呼ぶとされます。
- 残り物には福がある(のこりものにはふくがある):人が取り残したものや最後のものに、かえって幸運が潜んでいることがあるという意味。遠慮深い人に幸運が訪れる、とも解釈されます。
- 一富士二鷹三茄子(いちふじにたかさんなすび):初夢に見ると縁起が良いとされるものの順番。富士は「無事」、鷹は「高い」、茄子は「成す」に通じるとも言われます。
このように、熟語やことわざには、幸福、長寿、繁栄、そして前向きな行動を促す、縁起の良いメッセージが込められています。スピーチや手紙の結びに使うと、深みが出ますね。
四文字で表せるめでたい言葉は?

四文字で表せるめでたい言葉、すなわち「縁起の良い四字熟語」は、特にお祝いの場面や新年の抱負、座右の銘などで好んで使われます。四文字という短い形式に、力強く明確なメッセージ性を持つのが特徴です。
ここでは、代表的な縁起の良い四字熟語を、使われるシーン別に紹介します。
仕事・事業の成功を願う言葉
- 一粒万倍(いちりゅうまんばい)
「一粒の籾(もみ)が万倍にも実る」という意味から、わずかなものから大きな利益や成果が生まれることを願う言葉です。開業や新しいプロジェクトの開始、財布の新調などに適しています。
- 順風満帆(じゅんぷうまんぱん)
追い風を帆いっぱいに受けて船が快調に進む様子から、物事がすべて順調に進むことを意味します。
- 商売繁盛(しょうばいはんじょう)
商いが大いに賑わい、栄えること。店舗の開店祝いなどに直接的に使われます。
- 千客万来(せんきゃくばんらい)
多くのお客さんが次々とやってくること。飲食業やサービス業で特に好まれます。
幸福や繁栄を願う言葉
- 開運招福(かいうんしょうふく)
運を開き、福を招き寄せるという意味で、お守りや新年の挨拶など、あらゆる場面で使える万能な縁起の良い言葉です。
- 笑門来福(しょうもんらいふく)
前述のことわざ「笑う門には福来る」を四字熟語にしたもので、家庭円満や商売繁盛の願いを込めて使われます。
- 福徳円満(ふくとくえんまん)
幸福と利益(徳)に満ち足りており、何一つ不足がない円満な状態を指します。
- 家内安全(かないあんぜん)
家族全員が健康で無事であること。最も基本的で大切な願いの一つです。
- 無病息災(むびょうそくさい)
病気をせず、健康で元気に暮らすこと。長寿のお祝いなどにも使われます。
新年の挨拶や抱負にも
謹賀新年(きんがしんねん)や恭賀新春(きょうがしんしゅん)は、年賀状で使われる定番の賀詞(がし)です。これらも「謹んで新年のお祝いを申し上げる」という、めでたい意味を持つ四字熟語の一種です。
長寿を祝う四字熟語
還暦や古希など、長寿のお祝いには、以下のような四字熟語も使われます。
- 不老長寿(ふろうちょうじゅ):年を取らず、長く生きること。
- 延年転寿(えんねんてんじゅ):長生きを重ね、さらに寿命を延ばすこと。
一文字で縁起の良い言葉は?

一文字で縁起の良さを表す漢字は、その一文字に強い願いや意味が込められています。非常にシンプルながら力強いメッセージ性を持つため、名前や書き初め、ロゴやデザインのモチーフとしても非常に人気があります。
新年の抱負を書き初めで表したり、お子様の名前の一文字に選んだり、自分用のお守りに刻んだりと、使い方は様々です。自分の願いに最も近い一文字を選ぶと良いでしょう。
ここでは、代表的な縁起の良い一文字の漢字とその意味を紹介します。
| 漢字 | 読み(例) | 込められた意味・ニュアンス |
|---|---|---|
| 福 | ふく | 幸運、幸福、恵み。最も代表的な縁起の良い文字の一つ。「福を呼ぶ」 |
| 幸 | こう、さち | 幸せ、幸運。精神的な充足感や良い巡り合わせを指す。「幸せを願う」 |
| 喜 | き、よろこび | 喜び、慶び。心が浮き立つような嬉しい出来事を表す。「喜びに満ちる」 |
| 寿 | じゅ、ことぶき | 長寿、命が長いこと。また、お祝いの言葉そのものも指す。「長寿を祝う」 |
| 開 | かい、ひらく | 物事の始まり、道が開ける。運が開く「開運」にも通じる。「未来を拓く」 |
| 翔 | しょう、かける | 空高く舞い上がること。「飛翔」や「活躍」を連想させる。「世界へ羽ばたく」 |
| 賀 | が | お祝い、喜び。新年の挨拶「年賀」などにも使われる。「祝福する」 |
| 結 | けつ、むすぶ | 縁を結ぶ、努力が実を結ぶ。人との繋がりや成果を表す。「良縁を結ぶ」 |
| 芽 | が、め | 物事の始まり、新しい可能性。これから成長していく力を示す。「才能が芽吹く」 |
| 叶 | きょう、かなう | 願いが実現すること。「夢が叶う」 |
これらの漢字は、一文字だけでも強いメッセージ性を持ちます。例えば「福」や「寿」は、それだけでお祝いのシンボルとして広く認識されています。また、「翔」や「開」のように、未来への希望や発展を感じさせる文字も、新たな門出を迎える人への贈り物やメッセージに好んで使われます。自分の願いや相手への想いを一文字に託す、日本ならではの文化と言えるでしょう。
縁起のいい言葉(ひらがな)

縁起のいい言葉は、漢字や熟語だけではありません。「ひらがな」で表現することで、言葉の響きが柔らかくなり、温かみのある印象を与えます。日本には古来から、言葉に霊的な力が宿るとされる「言霊(ことだま)」信仰があり、特にひらがな(大和言葉)の優しい響きは、その力を穏やかに、そして強く伝えると考えられてきました。
お祝いのメッセージやスピーチなどで、堅苦しくなりすぎず、素直な気持ちを伝えたいときに非常に効果的です。
- 「おめでとう」
最も直接的にお祝いの気持ちを伝える言葉です。「お目出度う」と漢字で書くこともありますが、ひらがなで書くことで、より親しみやすく、心からの祝福の気持ちが伝わります。
- 「ありがとう」
感謝の言葉は、それ自体が非常にポジティブなエネルギーを持ちます。感謝を伝えることで人間関係が良好になり、良いご縁を引き寄せる「縁起の良い言葉」の代表格と言えるでしょう。
- 「めでたい」
「おめでたい」と「お」をつけることもあります。「喜ばしい」「祝うべきことだ」という意味を、柔らかく、そして感情豊かに表現できます。
- 「しあわせ」
「幸せ」という漢字ももちろん良いですが、ひらがなで「しあわせ」と書くことで、じんわりと広がるような、優しく温かな幸福感を表現できます。
- 「にこにこ」「きらきら」「ふくふく」
オノマトペ(擬音語・擬態語)も、ひらがなで書くことでポジティブな印象を与えます。「にこにこ」は「笑門来福」に、「きらきら」は「輝かしい未来」に、「ふくふく」は「福々しい(福に満ちている)」様子に通じます。
「めでたい」の語源
「めでたい」の語源は、古語の「愛づ(めづ)」、つまり「愛でる」「褒める」「感動する」という意味の言葉から来ているとされています。「愛でたい(めでたい)」ことが起こった、という感動や賞賛の気持ちが、現代の「おめでとう」に繋がっています。言葉の響きだけでなく、その成り立ちにも温かい心が込められています。
ひらがなの言葉は、日本語独自の柔らかさを持っています。漢字が持つ力強さとは対照的に、受け取る相手の心を和ませ、優しい気持ちにさせる効果が期待できます。
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具体的な縁起の良いめでたい事柄
縁起の良いめでたい事柄は?

「縁起の良いめでたい事柄」とは、一般的に、人生の節目となるお祝い事や、幸運の兆しとされる現象、そして繁栄や長寿の象徴とされる特定の日や物を指します。
これらは、古くからの風習や語呂合わせ、伝説などに基づいて「吉事(きちじ)」として、私たちの生活や文化の中に深く根付いています。
具体的には、以下のようなものが挙げられます。
人生のお祝い事(儀式)
人生の重要な節目は、神仏や先祖に感謝し、将来の幸福を願う「めでたい事柄」です。
- 結婚、出産、お宮参り、お食い初め、七五三、成人式
- 還暦(かんれき)、古希(こき)、喜寿(きじゅ)などの長寿祝い
- 新築、上棟(じょうとう、建前)、開店、開業
- 帯祝い(安産祈願)、合格祝い、就職祝い
暦・日柄
何かを始める日、祝う日として「日柄」を選ぶ文化があります。
- 大安(たいあん):六曜の中で最も吉日とされ、万事に良い日です。
- 一粒万倍日(いちりゅうまんばいび):新しいことを始めるのに最適な日とされます。
- 天赦日(てんしゃにち):暦の上で最上の吉日です。
- 寅の日(とらのひ):「虎は千里行って千里帰る」ことから、金運や旅行運に良い日とされます。
- 巳の日(みのひ):弁財天の使いである蛇(巳)の日とされ、金運・芸術運に良い日です。
六曜(大安、仏滅など)は、現在の日本の公的なカレンダー(暦)とは直接関係ありませんが、生活の知恵として根付いています。暦の成り立ちについては、国立天文台の「よくある質問」などが参考になります。
縁起の良いとされる現象・もの
日常生活で出会うと「ラッキー」と感じる事柄です。
- 初夢(特に「一富士、二鷹、三茄子」)
- 茶柱(ちゃばしら)が立つこと
- 虹(特に二重の虹)や四つ葉のクローバーを見つけること
- 紅白(こうはく)の組み合わせ(お祝いの象徴色)
- ゾロ目の数字(エンジェルナンバー)を偶然見ること
これらの事柄は、「良いことが起こりますように」という人々の願いや、「良いことがあった」という感謝のしるしとして、現代にも大切に受け継がれています。
縁起の良いめでたい事柄をきちんと解説

縁起の良い事柄や縁起物には、それぞれ「なぜ縁起が良いとされるのか」という「いわれ(由来)」があります。その背景を知ることで、より深く縁起の良さを感じることができます。ここでは、代表的な縁起物について、その理由をきちんと解説します。
動物の縁起物
- 鶴(つる)と亀(かめ)
「鶴は千年、亀は万年」のことわざ通り、長寿の象徴です。また、鶴はつがいが一生添い遂げることから「夫婦円満」の象徴ともされます。
- 鯛(たい)
「めでたい」との語呂合わせや、その美しい紅白の色合い(赤は魔除け、白は神聖さを表す)から、お祝いの席に欠かせない魚とされています。
- 招き猫(まねきねこ)
右手を挙げている猫は「金運」を、左手を挙げている猫は「人(客)」を招くとされ、商売繁盛の代表的な縁起物です。色によっても意味が異なり、白は「開運招福」、黒は「魔除け・厄除け」、金色は「金運上昇」などとされます。
- 梟(ふくろう)
「不苦労(苦労しない)」「福来郎(福が来る)」といった語呂合わせが有名です。また、夜目が利くことから「見通しが良い」、首がよく回ることから「商売繁盛(首が回らないの反対)」、西洋では「知恵の象徴」ともされます。
植物の縁起物
- 松竹梅(しょうちくばい)
寒い冬でも緑を保つ「松」(常緑・長寿)、まっすぐ力強く伸びる「竹」(生命力・成長)、冬の終わりにいち早く花を咲かせる「梅」(気高さ・開花)は、3つ合わせて「歳寒三友(さいかんのさんゆう)」とも呼ばれ、めでたいものの象徴とされます。
- 南天(なんてん)
「難(なん)を転(てん)じる」という語呂合わせから、魔除けや厄除けの木として、古くから家の鬼門(北東)や裏鬼門(南西)に植えられてきました。
その他の縁起物
- だるま(達磨)
禅宗の開祖・達磨大師がモデル。「七転び八起き」の精神を表し、大願成就の縁起物です。願いを込めて片目(向かって左)を入れ、叶ったらもう片方の目(右)を入れます。色によっても赤は「魔除け・家内安全」、白は「目標達成」、黄は「金運」などの意味があります。
- 七福神(しちふくじん)
恵比寿天(商売繁盛)、大黒天(五穀豊穣)、毘沙門天(勝負運)、弁財天(金運・芸術)、福禄寿(長寿・幸福)、寿老人(長寿)、布袋尊(家庭円満)の7人の神様が福をもたらすとされています。この信仰は、文化庁の日本遺産ポータルサイトでも紹介されているように、日本各地の文化と深く結びついています。
- 富士山(ふじさん)
その美しい末広がりの形から、繁栄や成功の象徴とされます。また、「不死」や「無事」にも通じるとして縁起が良いとされています。
このように、縁起物とされる背景には、語呂合わせ、そのものの生態や特徴、古くからの伝説や信仰などが深く関わっているのです。
お祝いに最適な縁起の良い贈り物

お祝いの気持ちを込めて、縁起の良いモチーフの品を贈ることは、相手の幸福や成功を願う素敵な方法です。ただし、シーンや相手との関係性によっては、かえって失礼にあたる「タブー」も存在するため注意が必要です。
ここでは、お祝いのシーン別に適した縁起の良い贈り物と、注意点を紹介します。
開店・開業祝い(商売繁盛)
- 招き猫:千客万来の定番ギフトです。
- 胡蝶蘭(こちょうらん):花言葉が「幸福が飛んでくる」であり、鉢植えは「幸福が根付く」とされるため、非常に人気があります。
- だるま:商売繁盛や大願成就を願って贈られます。
結婚祝い・長寿祝い(夫婦円満・長寿)
- 鶴・亀のモチーフ:長寿や夫婦円満の象徴として、食器や置物などが喜ばれます。
- 扇子(せんす):開いた形が「末広がり」であることから、繁栄を願う贈り物とされます。
- 夫婦箸(めおとばし):2本で一膳となることから、仲睦まじい夫婦の姿に例えられます。
新築祝い・引っ越し祝い
- 観葉植物:成長や発展の象徴とされます。
- フクロウの置物:「福が来る」「不苦労」の願いを込めて贈られます。
出産祝い・合格祝い
- 銀のスプーン(出産祝い):ヨーロッパの風習で「一生食べ物に困らないように」という願いが込められています。
- 万年筆・名刺入れ(合格・就職祝い):「これから活躍するように」という激励の気持ちを込めます。
贈り物の注意点(タブー)
縁起物であっても、贈るシーンによってはタブーとなる場合があります。これらのマナーは、全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)などの専門サイトや、大手百貨店のマナーガイドでも確認できます。
- 結婚祝い
包丁やハサミ(縁が切れる)、割れ物(陶器やガラスなど。壊れる・割れる)は避けるのが一般的です。また、個数は4(死)や9(苦)を避け、偶数(割り切れる=別れる)も避ける傾向がありますが、ペア(2個)は「夫婦」を表すためOKとされます。
- お見舞い
鉢植え(根付く=寝付く)、椿(花が首からポトリと落ちる)、菊(葬儀を連想)、シクラメン(死・苦)、香りの強すぎる花はタブーとされています。
- 目上の方へ
靴やスリッパ、靴下(踏みつける、下に見る)、筆記用具や時計、カバン(勤勉奨励=もっと働け)は、失礼にあたる場合があります。
相手との関係性やシーンを考慮して、心から喜ばれる最適な縁起物を選ぶことが大切です。
縁起の良いめでたい事柄のまとめ
- 「縁起が良い」の言い換えには「験がいい」「吉兆だ」「さい先がいい」などがある
- 縁起の良い言葉は文字数によっても分類できる
- 一文字の縁起の良い言葉には「福」「幸」「喜」「寿」などがある
- 二文字の縁起の良い言葉には「吉兆」「福寿」「飛翔」などがある
- 三文字の縁起の良い言葉には「松竹梅」「五色雲」などがある
- 縁起のいい熟語には「永寿嘉福」「日々是好日」などがある
- 縁起のいいことわざには「笑う門には福来る」「鶴は千年、亀は万年」などがある
- 四文字で表せるめでたい言葉(四字熟語)には「一粒万倍」「開運招福」などがある
- ひらがなの縁起の良い言葉には「おめでとう」「ありがとう」などがある
- 縁起の良いめでたい事柄には人生のお祝い事や吉日などがある
- 暦では「大安」「一粒万倍日」「天赦日」が吉日とされる
- 縁起物には動物、植物、道具など様々な種類がある
- 鶴亀は「長寿」、鯛は「めでたい」、招き猫は「商売繁盛」の象徴である
- 松竹梅は「生命力」、南天は「難を転じる」の象徴である
- 縁起の良い贈り物はシーンに合わせて選ぶことが重要である
- お見舞いに鉢植えを贈るなどタブーもあるため注意が必要である


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