こんにちは。贈答品の達人手帖、運営者の「TAKE」です。
お世話になった方や大切な人へ、ウイスキーのギフトを贈りたいと考えて検索しているあなたは、きっと相手に喜んでもらいたいという強い想いがあるはずです。その一方で、ウイスキーは種類が膨大で好みが分かれやすく、選ぶのが非常に難しいお酒でもあります。「もし相手の口に合わなくて嬉しくないと思われたらどうしよう」「マナー違反をして失敗したくない」といった不安を感じていませんか。私自身もかつて、銘柄選びに悩み、売り場の前で立ち尽くした経験があります。
この記事では、そんなあなたの不安を解消するために、失敗しない選び方のコツや予算別のおすすめ銘柄、そして贈る際のマナーについて徹底的に解説します。
- ウイスキー特有の好みの分かれ道を知り、失敗しない銘柄選びができるようになります
- 相手の立場や関係性に合わせた、最適な予算とブランドの選び方がわかります
- 3000円から数万円まで、価格以上の価値を感じてもらえる具体的なおすすめ銘柄を知ることができます
- 渡す際のマナーやタブーを理解し、自信を持ってプレゼントを渡せるようになります
失敗しないウイスキーギフトの選び方

ウイスキーを贈る際、最も重要なのは「自分の好み」ではなく「相手のリスク」を考えることです。ここでは、せっかくのプレゼントが「ありがた迷惑」にならないための、基本的な選定ロジックとマナーについて解説します。相手のことを想うあまり考えすぎてしまうその気持ち、とてもよく分かります。まずは基本を押さえて、不安を一つずつ解消していきましょう。
嬉しくないと思われないための注意点

ウイスキーのギフトで最も恐ろしい失敗、それは「香りの好み」によるミスマッチです。ここを外すと、どんなに高価なヴィンテージボトルでも「嬉しくない」と思われてしまう可能性があります。
ウイスキーの中には「ピート(泥炭)」と呼ばれる植物が炭化した燃料を使って麦芽を乾燥させる工程を経たものがあり、これらは独特のスモーキーな香りを持っています。特にスコットランドのアイラ島で作られる「アイラモルト」と呼ばれる種類のウイスキーは、よく「正露丸のような薬の匂い」や「消毒液の匂い」と表現されるほど強烈な個性を持っています。
愛好家にとってはこれがたまらない魅力であり、一度ハマると抜け出せない沼なのですが、ウイスキーに慣れていない方や、甘いお酒が好きな方にとっては、飲むこと自体が苦痛になってしまうリスクがあるんですね。相手が「アイラ系が好き」「スモーキーなものが大好き」と明言していない限り、まずはクセの少ないフルーティーな銘柄や、飲みやすいバランスの取れた銘柄を選ぶのが鉄則かなと思います。
注意:初心者に避けるべき銘柄の例
「ラフロイグ」や「アードベッグ」、「ボウモア」などは熱狂的なファンが多い素晴らしいウイスキーですが、ギフトとして贈る場合は相手が愛好家であると確信が持てる時だけにしましょう。「有名だから」という理由だけで選ぶと、好みに合わず棚の肥やしになってしまうかもしれません。
相手に失礼のないマナーと選び方

贈り物は中身だけでなく、渡し方のマナーも相手への敬意を表す重要な要素です。特にビジネスシーンや目上の方へ贈る場合は、社会的なルールを守る必要があります。「親しき仲にも礼儀あり」ですね。
まず、熨斗(のし)についてですが、何度あっても良いお祝い(昇進、開店、お中元、お歳暮など)には「蝶結び」の水引を選びます。一方で、結婚のお祝いや快気祝いなど、一度きりにしたいお祝い事には「結び切り」を選びます。表書きは「御祝」「御礼」「御中元」など、目的に合わせて正確に記載しましょう。デパートや専門店で購入すれば店員さんが適切に対応してくれますが、ネット通販の場合は指定を忘れないように注意が必要です。
ビジネスでの「二本縛り」について
開店祝いや周年祝いなどで贈る場合、日本酒の一升瓶を贈る際の風習から「2本括り(二升=ますます繁盛)」が縁起が良いとされることがあります。ウイスキーの場合も、予算が許せば同じボトルを2本セットにして贈るのも粋ですね。ただし、4本(死)や9本(苦)の本数は避けるようにしましょう。
また、相手の健康状態への配慮も忘れてはいけません。当然ですが、妊娠中の方や、健康上の理由でお酒を控えている方にアルコールを贈るのは最大のタブーです。事前にさりげなくリサーチしておくことを強くおすすめします。もしお酒が飲めるか分からない場合は、高級ジュースやコーヒーギフトに切り替える勇気も必要です。→【決定版】コーヒーギフト完全ガイド。相手別に喜ばれる選び方
女性や上司など相手別の選定ポイント
「誰に贈るか」によって、重視すべきポイントはガラリと変わります。相手の属性に合わせた選び方をすることで、「私のことを考えて選んでくれたんだな」という感動を与えることができます。ここでは、ターゲット別の選定基準を整理しました。
上司・恩師・目上の男性へ
この層に贈るキーワードは「格式」と「歴史」です。流行りの新しい蒸溜所(クラフトウイスキー)よりも、誰もが名前を知っている老舗ブランドが安心です。「オールドパー」や「バランタイン17年」、「ジョニーウォーカー」などは、年配の男性にとって「間違いのない良いお酒」という認識が深く刻まれています。ボトルの佇まいやブランドのストーリー自体が、相手への敬意となります。
女性・パートナーへ
女性に贈る場合は、「香り」と「ビジュアル」を重視しましょう。ピート香の強いものは避け、花やフルーツのような香りがするスペイサイド(スコットランドの地域)のモルトや、ボトルのデザインが美しいものが喜ばれます。「グレンリベット」のような華やかな銘柄や、香水瓶のようなボトルの「響」などは、インテリアとしても映えるため非常に人気があります。
ウイスキー愛好家・マニアへ
一番難しいのがこの層ですが、キーワードは「驚き」と「スペック」です。スタンダードなボトルは飲み尽くしている可能性が高いので、限定品や「カスクストレングス(加水していない濃いお酒)」などが喜ばれます。「美味しい」だけでなく「面白い」「珍しい」と言わせたら勝ちですね。
| 相手 | 重視すべきポイント | おすすめの方向性 |
|---|---|---|
| 上司・年配男性 | 知名度・ブランド・歴史 | 重厚感のあるスコッチ、高級ブレンデッド |
| 女性・パートナー | 香り・ボトルの美しさ | フルーティーなシングルモルト、飲みやすい銘柄 |
| ウイスキー愛好家 | スペック・希少性・驚き | カスクストレングス、限定品、新興クラフト |
名入れやセットで特別感を演出する
市販のボトルをそのまま渡すだけでは少し味気ない、と感じる場合は「名入れ(刻印)サービス」を利用するのも一つの手です。
ボトルのガラス面に直接、相手の名前や記念日、メッセージを彫刻してくれるサービスは、世界に一つだけのギフトとして強力なインパクトを残せます。特に「サントリー角瓶」や「ジャックダニエル」のような平面のあるボトルや色の濃いボトルは、彫刻がくっきりと美しく映えるため人気があります。飲み終わった後も花瓶として使ったり、インテリアとして飾っておけるのが嬉しいポイントですね。
名入れに関する重要な注意点
一つだけ注意点があります。「資産価値のある高級ヴィンテージウイスキー」には彫刻をしない方が無難です。「山崎18年」や「マッカラン18年」など、中身を飲み終わった後に空瓶そのものがコレクションとして価値を持つ場合があるからです。名入れはあくまで、カジュアルに飲んで楽しむためのスタンダードなボトルに施すのがスマートかなと思います。
飲み比べセットで好みの違いをカバー
「相手の好みが全くわからないけれど、ウイスキーを贈りたい」という場合に、最強のリスクヘッジとなるのが「飲み比べセット」です。
200ml程度のミニボトルが数本入ったセットであれば、もし一本が好みに合わなくても、他のボトルで楽しんでもらうことができます。例えば、「世界5大ウイスキー飲み比べセット」や「スコッチの産地別セット」などは、味の違いを体験できるため、知的好奇心を刺激するエンターテインメント性のあるギフトになります。
「どれが一番好きだった?」と後日感想を聞くことで会話も弾みますし、次のプレゼント選びの参考にもなるので、関係性を深めるきっかけ作りとしても非常に優秀です。
予算別おすすめウイスキーギフトの決定版

ここからは、具体的な予算に合わせて、贈答品の達人手帖が自信を持っておすすめする「失敗しない鉄板銘柄」をご紹介します。2025年の市場トレンドも踏まえたセレクトですので、ぜひ参考にしてください。
3000円から5000円の手頃な銘柄

友人への手土産や、同僚へのちょっとしたお礼、あるいは自分へのご褒美に最適な価格帯です。ここでは「知名度」と「飲みやすさ」を兼ね備えたコスパの良い銘柄が輝きます。
グレンフィディック 12年
世界で最も売れているシングルモルトスコッチです。洋梨や青リンゴのようなフレッシュな香りが特徴で、ウイスキー初心者でも抵抗なく飲める爽やかさがあります。緑色の三角形のボトルは見た目も印象的で、専用の箱に入っていることが多いためギフト映えも抜群です。迷ったらまずはコレ、と言える一本ですね。
サントリーウイスキー 知多
「風香るハイボール」のCMでおなじみの、愛知県・知多蒸溜所で作られるグレーンウイスキーです。とうもろこしなどを原料としており、軽やかでほのかな甘みがあります。和食との相性が非常に良いため、毎日の晩酌でハイボールを楽しむ方には、実用的でとても喜ばれる一本です。日本の食卓に馴染む味わいは、さすがサントリーと言えるでしょう。
(出典:サントリーウイスキー「知多」公式サイト)
メーカーズマーク 46
通常のメーカーズマークよりも、さらに熟成にこだわったプレミアムラインです。インナーステイブと呼ばれる焦がしたフレンチオークの板を樽の中に沈めて後熟させることで、バニラやキャラメルのような甘い香りが濃厚になっています。赤い封蝋(ふうろう)は職人の手作業で仕上げられているため、一本一本形が違います。その「クラフト感」が温かみのあるギフトにぴったりです。
10000円前後で高級なプレゼントを

父の日や誕生日、昇進祝い、お中元・お歳暮など、しっかりと「良いもの」を贈りたい時の予算感です。ここでは12年以上の熟成を経た、本格的な銘柄を選びましょう。
ザ・マッカラン 12年 ダブルカスク
「シングルモルトのロールスロイス」と称される、贈答用ウイスキーの王様です。シェリー樽由来のドライフルーツのような華やかさと、チョコレートのような濃厚な味わいは、まさに贅沢そのもの。ウイスキーに詳しくない人でも「マッカラン」の名前は知っていることが多く、「良いお酒をもらった」という満足感を確実に提供できます。
ワイルドターキー 12年
バーボン好きの男性に贈るなら、この一本がおすすめです。内側を強く焦がした「アリゲーターチャー」と呼ばれる樽で熟成され、50.5度という高いアルコール度数を持ちます。12年という長期熟成によって角が取れ、ガツンとくるのに深く複雑な味わいになっています。パッケージも男らしく重厚で、ハードボイルドな世界観を好む方には刺さるギフトになります。
タリスカー 10年
もし相手がお酒好きの「通」であれば、あえて少しクセのあるこの銘柄を選ぶのもセンスが良いです。スカイ島の潮風と黒胡椒の香りを感じるスパイシーな味わいは、「タリスカー・スパイシー・ハイボール」として肉料理に合わせて楽しまれています。「甘いお酒は苦手」という方への最適解とも言えます。
山崎や響など人気銘柄の入手方法
「せっかくなら日本の『山崎』や『響』を贈りたい」と考える方も多いでしょう。しかし、2025年現在もジャパニーズウイスキーの原酒不足は続いており、定価で店頭に並ぶことは稀です。
ネットショップなどでは「プレ値(プレミア価格)」で取引されていますが、贈る相手がその価値(入手困難であること)を理解してくれる間柄であれば、多少高くても手に入れる価値は十分にあります。「探して買ってきてくれた」「抽選で当ててくれた」という労力自体が、何よりのプレゼントになるからです。
入手困難な場合の代替案:ジョニーウォーカー ブルーラベル
もしどうしても国産が入手できない場合は、「ジョニーウォーカー ブルーラベル」を検討してみてください。スコッチの最高峰であり、比較的購入しやすく、かつ圧倒的な高級感と誰が飲んでも美味しい滑らかさを持っています。シリアルナンバー入りで特別感も抜群ですよ。
グラス付きの商品で豪華さをプラス
予算に余裕がある場合、ボトルだけでなく「良いグラス」をセットにすると、ギフトの格が一気に上がります。お酒は飲み終わるとなくなりますが、グラスは形として残るため、記念品としての側面を強化できるんですね。
例えば、クリスタルガラスの最高峰「バカラ」のロックグラスは、経営者や成功者へのギフトとして定番です。その重量感と輝きは別格です。また、注いだ飲み物の色が反射して底の富士山が色づく「富士山グラス(田島硝子)」などは、視覚的な驚きもあり、海外の方や話題性を求める方へのプレゼントとして非常に喜ばれます。
最高のウイスキーギフトを贈るために
ウイスキーは、長い年月をかけて樽の中で熟成されるお酒です。その特性上、ギフトとして贈ることで「あなたとの関係を長い時間をかけて大切にしていきたい」というメッセージを込めることができます。
銘柄選びに絶対の正解はありませんが、「相手の喜ぶ顔を想像して選んだ」というプロセスこそが、何よりの隠し味になります。今回ご紹介したポイントを参考に、ぜひ自信を持って、あなたの想いと共に素敵な一本を贈ってみてくださいね。きっとその気持ちは伝わるはずです。


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